久しぶりに「恋がしたい」と、胸の高鳴りとともにマッチングアプリの世界へ飛び込んだあなた。新しい出会いに期待を膨らませ、メッセージを交わし、何人かの人と実際に会ってみた。最初は「素敵な人かも!」と心が浮き立つ。口が上手く、褒め言葉がスラスラ出てくる彼らに、つい心を許しそうになる。でも、何度か会ううちに、何か違和感を覚える。「あれ?この人、本当に私のこと見てるのかな?」「褒めるばかりで、私自身の話はあまり聞いてくれない…」。気づけば、出会う人みんなが、まるで台本を読んでいるかのように「人たらし」に見えてくる。
「またこのパターンか…」「結局、私が見たいものを見せられているだけ?」
そんな疑念が頭をよぎり、心はすっかり疲弊していませんか?
「もうダメかもしれない、本当に信用できる人なんて、このアプリにはいないのかも…」
期待が大きかった分、失望も深く、婚活疲れという重い足かせがあなたの心を縛り付けているかもしれません。
かつて私もそうでした。ハッピーメールで出会ったAさん。彼はまさに「言葉の魔術師」でした。「君のような魅力的な女性は初めてだ」「もっと早く出会いたかった」…甘い言葉のシャワーを浴びせられ、まるで私が世界の中心にいるかのように錯覚しました。「やっと本物に出会えた!」と喜び勇んでいましたが、次第に彼の言葉と行動の間に深い溝があることに気づかされます。約束をドタキャンされても、巧みな言い訳とさらなる褒め言葉で、私の不満を煙に巻こうとする。私の話には上の空で、常に自分を良く見せる話ばかり。「なぜ私だけが、こんなに疲弊するのだろう…」と、心の奥底で無力感が募っていきました。あの時の私は、まるで砂漠で渇ききった旅人のように、キラキラと輝く「蜃気楼」のような彼の言葉に、夢中で手を伸ばしていたのです。しかし、近づけば近づくほど実体はなく、ただただ消耗するばかりでした。
なぜ、私たちは「人たらし」に惹かれ、そして疲弊してしまうのでしょうか?
彼らは、私たちの「承認欲求」や「理想の恋への憧れ」を巧みに刺激します。まるで宝石鑑定士が偽物を見抜くように、私たちは「本物」を見極める「心の鑑定眼」を養う必要があります。
では、どうすればこの「人たらし」の呪縛から解放され、真実の恋へと続く道を見つけられるのでしょうか?
1. 言葉ではなく「行動」に注目する:
甘い言葉は誰でも言えます。大切なのは、その言葉を行動で示しているか。約束を守るか、あなたの話を真剣に聞いているか、困ったときに支えになろうとするか。小さな行動の積み重ねこそが、信頼の証です。
2. 「深い質問」で本質を探る:
表面的な会話だけでなく、相手の価値観や将来のビジョン、友人関係について尋ねてみましょう。「なぜそう思うの?」「どんな時に幸せを感じる?」といった問いかけは、相手の内面を引き出すきっかけになります。
3. 「急がず、時間をかけて」関係を築く:
すぐに深い関係を求めたり、結婚を匂わせたりする相手には注意が必要です。真剣な関係は、焦らず、お互いを理解し合う時間を経て育まれるものです。まるで、美味しい魚を釣り上げるように、適切な餌(情報交換)と、見極める目、そして焦らない忍耐力が必要なのです。
4. 「自己肯定感」を高める:
「人たらし」の言葉に強く惹かれるのは、自分を認めてほしいという気持ちが背景にあることも。自分自身の価値を認め、自信を持つことで、他者の承認に依存しない強さが生まれます。そうすれば、甘い言葉に惑わされにくくなります。
マッチングアプリは、広大な海に散らばる宝を探すようなもの。輝くものに目を奪われがちですが、本当に価値ある宝は、見つけにくい場所にあったりします。しかし、諦める必要はありません。あなたの心の羅針盤を信じ、本物を見抜く目を養えば、きっとあなただけの「オアシスの水」を見つけることができるはずです。
「人たらし」は、あなた自身の「見極める力」を磨く試練にすぎません。この経験を乗り越え、真実の愛へと舵を切りましょう。
