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「恋人いない」のは本当におかしい?部長に救われた30歳の私の話


私は「欠陥品」

2024年11月の週末。

祖母の喜寿のお祝いで実家に帰省した私は、久しぶりに親戚一同が集まる食事会に参加していた。

祖母の笑顔。賑やかな会話。温かい料理。

心から、幸せだと思った。

翌日、地元に残っている高校時代の友人たちとランチをすることになった。

ファミリーレストラン。5年ぶりに集まった4人の友人たち。

テーブルの周りには、ベビーカーが3台。子ども用の椅子が2脚。

「ほら、ママ見て〜」
「すごいね、お利口さんだね」
「うちの子ね、最近イヤイヤ期で本当に大変で…」

友人たちは、子どもの相手をしながら、楽しそうに会話している。

私も、友人の子どもたちと遊んで、本当に楽しかった。みんな幸せそうで、心から嬉しいと思った。

「ねえ、あなたは? 最近どう?」

ひとりの友人が、さりげなく聞いてきた。

「うん、仕事は相変わらず忙しいけど、元気だよ」

私は、笑顔で答えた。

友人は、それ以上聞かなかった。

「そっか、それは良かった。仕事順調なのね」

友人は、すぐに話題を変えた。


その夜、実家の自分の部屋。

ベッドに横になりながら、スマホのSNSを開くと、今日のランチの写真が投稿されていた。

「久しぶりの再会! 子どもたちも大きくなった〜♡」

写真の中の私は、笑顔で子どもを抱っこしている。

でも、その笑顔の裏で、私の頭の中では、こんな声がリピートされていた。

「あなたも、そろそろ落ち着いたら?」

母が、数ヶ月前に言った言葉。

「彼氏とかいるの?」

友人が、聞きかけて止めた質問。

「私だけ、違う。」

私だけが、「ママ」じゃない。私だけが、「彼氏の話」を振られない。

私だけが、気を使われている。

「交際経験がないって、やっぱり何か問題があるのかな…」

声に出した瞬間、涙が頬を伝った。

30歳になった夜、私は絶望と格闘して眠れなかった。

私は、欠陥品なのかもしれない。


大学時代の親友に打ち明けた夜、彼女の言葉が響かなかった理由

帰省から戻った数日後、私は大学時代の親友にLINEで相談していた。

彼女は東京で働いていて、2年前に結婚した。

「実家帰った時、地元の友達とランチしたんだけど、みんな子連れでさ。私だけ何も変わってなくて…」

「それは辛かったね」

彼女は、優しく返信してくれた。

「30歳で一度も交際したことないって、何かおかしいのかな」

「おかしくないよ。あなたは仕事も趣味も充実してるし、自分のペースで生きてるじゃん」

「でも…」

「焦らなくていいよ。あなたには、あなたのタイミングがあるから」

彼女の言葉は、優しかった。

でも、響かなかった。

LINEを閉じた後、私はベッドに倒れ込んだ。

彼女は、既婚者だ。彼女には、私の気持ちは分からない。

「タイミング」って、いつ来るの?

このまま、40歳、50歳になっても、「タイミング」を待ち続けるの?

私は、ただ、この不安から解放されたかった。


寿退職の送別会で、部長が私に気づいた

それから2週間後。

会社の同僚が寿退職することになり、女性だけで送別会が開かれた。

居酒屋での送別会は、和やかに進んだ。

「新しい生活、楽しみだね」
「幸せになってね!」

同僚を祝福する声が、テーブルに響く。

私も、心から祝福していた。

でも、心のどこかで、また同じ感情が湧いてきた。

また、私だけが取り残される。

1次会が終わり、解散しようとした時、50代の女性部長が私の肩を軽く叩いた。

「ねえ、2次会行かない?」

部長は、仕事ができて、まだまだ綺麗で、会社でも尊敬されている女性だ。

「はい、行きます」

私は、即答した。

2次会には、部長と、私より年配の先輩方5人が集まった。

静かなバーのカウンター席。私は、部長の隣に座った。

カクテルが運ばれてきた。

部長は、グラスを一口飲んでから、私の目を見て言った。

「ねえ、最近、元気なかったよね」

「え…」

「分かるよ。私も、30歳の時、全く同じだったから」

部長の言葉に、私の心臓が高鳴った。


部長が教えてくれた魔法の言葉

「部長も…?」

「そう。33歳で結婚したんだけど、30歳の頃は本当に焦ってた」

部長は、グラスを回しながら続けた。

「20代は仕事に必死で、気づいたら30歳。周りはみんな結婚してて、私だけ取り残されてる気がして」

「で、焦ってマッチングアプリ始めたり、合コン行ったり…」

「そうだったんですね…」

「でもね、全然ピンとこなくて。『なんで私、こんなことしてるんだろう』って虚しくなった」

部長は、少し間を置いてから、こう言った。

「あのね、恋愛経験の数なんて、関係ないの」

「でも、私、30歳で一度も…」

部長は、私の言葉を遮った。

「あなた、スーパーで『特売の加工肉』と『熟成肉』、見たことある?」

「え…?」

「特売の加工肉ってさ、下味がついてて、すぐに調理できる。でも、消費期限は短いし、深い味わいはない」

「熟成肉は違う。時間をかけて、じっくり寝かせることで、深い旨味が凝縮される。簡単には手に入らないけど、本当に価値を理解できる人だけが、その深みを楽しめる」

部長は、私の目をまっすぐ見つめた。

「20代で仕事も趣味も頑張ってきたでしょ。それ、全部、あなたの『深み』になってる」

「深み…」

「私もそうだった。33歳で夫と出会った時、彼は私が積み上げてきたものを理解してくれた。お互いに自立してたから、対等な関係を築けた」

隣に座っていた先輩が、頷きながら言った。

「私も、35歳で結婚したけど、20代の時に焦って付き合った人とは全然うまくいかなかった」

「でも、夫とは違った。お互いを尊重できる関係だった」

もうひとりの先輩も、グラスを傾けながら言った。

「私なんて、40歳まで独身だったよ。でも、今の夫と出会えて、本当に良かったと思ってる」

「焦って妥協するより、本当に合う人と出会う方が、よっぽどいい」

部長は、私の肩を軽く叩いた。

「だから、焦らなくていい」

「でも、周りからは変だって思われてるんじゃないかな…」

「変じゃない。むしろ、妥協しなかったあなたは、強いよ」

部長の言葉に、私の目から涙がこぼれそうになった。

「ありがとうございます…」

「あなたの価値を理解できる人は、必ず現れる」

その夜、私は家に帰ってから、部長の言葉をノートに書き出した。

「私は、深みを持っている。」

その言葉が、私の心を軽くしてくれた。


あの日から、私の世界が変わった

部長との会話をきっかけに、私は自分の20代を振り返ってみた。

ノートに書き出してみると、自分でも驚いた。

  • 仕事で新規プロジェクトを成功させた経験
  • TOEIC900点を取得したこと
  • 10カ国以上を一人旅で訪れたこと
  • 料理教室に通い、レパートリーを50種類に増やしたこと
  • 月1回のボランティア活動

これ、全部、私が積み上げてきたものじゃん。

私は、20代を「無駄」に過ごしていたわけじゃない。

私は、ちゃんと自分を磨いてきた。

そう思えた瞬間、何かが変わった。

鏡を見た時の自分の表情が、変わった。

朝、会社に行く時の足取りが、軽くなった。

「パートナーがいないのはおかしい」と思っていた自分が、消えた。

代わりに、こう思えるようになった。

「今の私は、充実してる。もし、この生活を一緒に楽しめる相手がいたら、もっと豊かになるかもしれない」


3ヶ月後、私は突然出会った

部長と話してから3ヶ月後のこと。

会社の新しいプロジェクトで、取引先の担当者と一緒に働くことになった。

彼は、私より2歳年上で、仕事に対する姿勢が真摯な人だった。

プロジェクトが進むにつれて、私たちは自然と話す機会が増えていった。

ある日、プロジェクトが一段落した後、彼が声をかけてきた。

「お疲れさまでした。もしよければ、食事でも行きませんか?」

その誘いは、自然だった。

そして、私も自然に「はい」と答えられた。

以前の私なら、きっと断っていた。

「面倒だな」「疲れるな」と思っていたはずだ。

でも、あの夜、部長が言ってくれた言葉が、私を変えていた。

食事に行った時、彼は私の仕事への姿勢を褒めてくれた。

「あなたの仕事への情熱、すごく素敵だと思います」

その言葉が、嬉しかった。

私の積み上げてきたものを、見てくれている人がいる。

その後、私たちは何度か食事に行き、お互いの価値観を話すようになった。

彼も、仕事を大切にしながら、趣味の時間も大切にしている人だった。

お互いを尊重し合える関係が、自然と築かれていった。

私は、30歳で初めて、「本当に自分に合うパートナー」と出会えた。


【正直な告白】この方法にも「限界」はある

ただし、正直に言うと、この記事で伝えた考え方が「全ての人に合う」わけではない。

この考え方が合わない可能性がある人

  • 今すぐ交際相手がほしい人: この記事は「自己肯定感の再構築」に重点を置いているため、即効性を求める人には向かない
  • 恋愛経験の数を重視する人: 「経験の数=価値」と考える人には、この視点転換は受け入れがたいかもしれない
  • 周囲の評価を最優先する人: 世間体を気にしすぎる人には、「自分軸」を確立するこのアプローチは難しい

私自身が感じた「限界」

  • 視点を変えても、すぐにパートナーが見つかるわけではない
  • 自己肯定感を高めるには、継続的な努力が必要
  • 周囲の「結婚は?」というプレッシャーは、完全には消えない

それでも、私は自分の選択に後悔していない。


あなたに伝えたい、最後のメッセージ

「パートナーがいない」ことを「おかしい」と感じているあなたへ。

それは、あなたの人生の欠陥ではない

部長が教えてくれた。

世間の流れに流されず、自分の価値観を磨き上げてきた時間は、決して無駄ではない。

交際経験の数や年齢は、あなたの幸福度を測る物差しではない

本当に大切なのは、今、あなたが自分の人生に満足しているかだ。

もしあなたが、私と同じように「パートナーがいない」ことにコンプレックスを感じているなら、まず、自分の20代(または30代)を振り返ってみてほしい。

あなたが費やした時間は、決して無駄ではない。

それは、最高のパートナーと出会うための準備期間だったのだから。

そして、あなたの価値を理解してくれる人は、必ずいる。

あなたには、あなただけの深みがあるんだから。


よくある質問(FAQ)

Q1: 30代から恋愛を始めるのは遅すぎる?

A: いいえ、遅すぎることはありません。私の会社の部長は33歳で結婚し、先輩たちも35歳、40歳で結婚した方がいます。「30代から恋愛を始めた人の方が、関係性が安定しやすい」と部長も言っていました。理由は、自己理解が深まり、相手に求めるものが明確になっているためです。

Q2: 恋愛経験がないことを、相手に伝えるべき?

A: 私の経験では、信頼関係ができてから伝えるのがベストです。最初から「経験がない」と伝えると、相手が構えてしまう可能性があります。自然な流れの中で、必要だと感じた時に伝える方が、相手も受け入れやすいです。

Q3: 「パートナーがいない」ことを周りから「おかしい」と言われたら?

A: それは、相手の価値観であって、あなたの価値を決めるものではありません。私も同じことを感じていましたが、部長が「あなたは深みを持っている」と言ってくれたことで、考え方が変わりました。周りの評価より、自分が納得できる人生を送ることが大切です。

Q4: どうやってパートナーと出会えばいい?

A: 私の場合は、仕事を通じて出会いました。マッチングアプリも試しましたが、自分には合いませんでした。大切なのは、「自分が自然体でいられる場所」で出会うことです。無理に出会いの場に行っても、疲れるだけです。

Q5: 焦って妥協してしまいそう…

A: その気持ち、すごく分かります。私も、30歳の時は焦っていました。でも、部長の言葉が私を変えてくれました。焦って妥協するより、自分を大切にして、本当に合う人と出会う方が、よっぽど幸せになれます。


この記事を書いた人

フリーランサー :佐藤(仮)
恋愛・ライフスタイル・キャリアをテーマに執筆活動を行っています。

この記事は、筆者自身の実体験をベースに、職場の先輩方や友人への取材、各種調査資料をもとに構成した体験型ストーリーです。

登場人物の一部はプライバシー保護のため匿名としており、ストーリー展開の一部にはフィクション要素を含みますが、伝えたいメッセージと体験の本質は実話に基づいています。

すべての人に当てはまるわけではありませんので、ご自身の状況と照らし合わせてご検討ください。